猫の腎不全｜獣医師が解説｜横浜市青葉区の夕やけの丘動物病院

猫の腎不全

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こんにちは。夕やけの丘動物病院です。今回は、猫の病気の中でも特に多い「慢性腎不全（CKD）」について、飼い主さんにもわかりやすく解説します。

腎不全ってどんな病気？

腎不全とは、腎臓の機能が低下し、体の中の老廃物や余分な水分をうまく排出できなくなる状態です。猫の腎不全は急性と慢性に分けられますが、特に高齢猫に多いのが慢性腎不全です。アメリカのコーネル大学獣医学部によれば、15歳以上の猫の約80%が腎機能に問題を抱えているとされています。

腎不全の主な原因

慢性腎不全の原因はさまざまですが、以下のような要因が考えられます。

・加齢による腎機能の自然な低下
・脱水や慢性的な腎炎
・ウイルス・細菌感染（例：猫伝染性腹膜炎）
・高血圧
・遺伝的要因（例：ペルシャ猫の多発性嚢胞腎）
・尿路結石や腫瘍による障害

初期症状に注意しましょう

猫の腎不全はゆっくり進行するため、初期症状を見逃しがちです。以下のような変化が見られたら注意が必要です。

・水をよく飲み、おしっこが増える（多飲多尿）
・食欲が落ちる
・毛づやが悪くなる
・嘔吐や口臭
・体重減少
・元気がない、よく寝ている

腎不全の診断方法

当院では以下のような検査を組み合わせて診断を行います。

・血液検査（BUN、クレアチニン、SDMAなど）
・尿検査（尿比重、蛋白尿の有無）
・超音波検査（腎臓の形や大きさの確認）

これらにより、国際腎臓研究会（IRIS）の分類に基づいたステージ診断を行い、最適な治療方針を立てます。

治療と日常ケア

腎臓のダメージを完全に回復させることはできませんが、進行を遅らせる治療は可能です。

食事療法

腎臓に負担をかけにくい低たんぱく・低リンの療法食に切り替えます。嗜好性が落ちやすいため、少しずつ慣らしていくことが大切です。

点滴療法

脱水を防ぐために、皮下点滴を定期的に行います。また、ご自宅での皮下点滴のやり方をご指導させていただくことで、猫ちゃんやご家族の通院の負担を減らしながら、継続的な治療を行う方法もご提案させていただきます。

薬物療法

・血圧を下げる薬（アムロジピンなど）
・リン吸着剤
・鉄剤やビタミンなどの補助療法

ご家庭でできること

・新鮮な水をいつでも飲めるようにする
・食事の内容に気を配る（獣医師と相談）
・トイレの量や回数を記録して変化に気づく
・ストレスの少ない環境を整える

最後に

猫の腎不全は進行性の病気ですが、早期に発見して継続的に治療することで長生きが可能です。少しでも気になることがあれば、ぜひ一度ご相談ください。夕やけの丘動物病院では、横浜市青葉区、都筑区、緑区、港北区、川崎市など近隣地域の猫ちゃんたちの健康をサポートしています。丁寧な診察と分かりやすい説明を心がけておりますので、初めての方も安心してご来院ください。

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