犬のリンパ腫

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今回は、気づかぬうちに進行する命に関わる病気、犬のがんの中でも特に注意が必要な「リンパ腫」についてご紹介します。

リンパ腫とは

リンパ腫は、リンパ球という白血球の一種ががん化する悪性腫瘍です。リンパ節や脾臓、肝臓、骨髄、消化管など、体中のさまざまな場所に広がる可能性がある、全身性の病気です。実際に、犬に見られるがんの中でもリンパ腫は比較的多く、特に中高齢(6歳以上)での発症が目立ちます。犬種では、ゴールデン・レトリーバーやボクサー、コーギーなどがやや多いとされています

この病気の怖いところ

犬のリンパ腫が怖いのは、進行が非常に早いケースがあることです。たった数週間でリンパ節が大きく腫れたり、体重が急激に減ったりすることも珍しくありません。しかも、初期には痛みや目立つ症状がなく、飼い主様が気づかないまま進行してしまうこともあります。症状が現れたときには、すでに全身に広がっているケースも少なくありません。

どんな症状が見られる?

主な症状は以下のとおりです:

首・あご・脇・足のつけ根などのリンパ節の腫れ(両側が腫れていることが多い)
食欲不振、元気消失
急な体重減少
持続する下痢や嘔吐(消化器型の場合)
咳や呼吸困難(胸腔内リンパ腫の場合)

これらの症状は、ほかの病気でも見られることがありますが、「なんとなくいつもと違う」ことが続く場合は要注意です。

診断と検査

まずは身体検査でリンパ節の状態を確認し、以下のような検査を組み合わせて診断します:

細胞診(針を刺してリンパ節の細胞を確認)
血液検査、超音波検査、X線検査
CT検査や病理組織検査(必要に応じて)

また、リンパ腫にはステージ分類があり、どこまで病気が進んでいるかを把握することで、治療の方向性や予後(見通し)も変わってきます。

治療法と予後

治療の中心は**化学療法(抗がん剤)**です。リンパ腫は抗がん剤の効きやすいがんのひとつで、治療によって症状が改善し、元気に過ごせる期間が得られることが多いです。ただし、治療しなければ1~2ヶ月で命を落としてしまうこともあります。これは決して大げさではなく、それほど進行の早い病気なのです。治療によって半年~1年、あるいはそれ以上元気に過ごせる子もいますが、再発や治療の副作用への対応も含め、継続的なケアが必要です。

飼い主様に知っていただきたいこと

リンパ腫は、早期発見・早期治療が命を救うカギになります。
ご家庭でのスキンシップや健康チェックの中で、次のような点に注意してみてください:

いつもより首の下が「ぷくっ」としている
最近食欲が落ちた、やせてきた
元気がない日が続いている

気になることがあれば、たとえ小さな変化でも放置せず、お早めにご相談ください。

命に関わる病気だからこそ、私たちが支えます

リンパ腫と聞くと、怖く感じるかもしれません。でも、早く見つけて適切な治療を行えば、「がん=すぐに命を落とす病気」ではありません。夕やけの丘動物病院では、飼い主様としっかり話し合いながら、その子に合った治療法をご提案しています。ワンちゃんが少しでも長く、穏やかに、笑顔で過ごせるよう全力でサポートいたします。

わんちゃん・ねこちゃんのお悩みは当院にご相談ください!

この症例の監修

獣医師 大久保 舞(おおくぼ まい)

出身校:麻布大学
資格:獣医腫瘍科認定医 II 種
所属学会:日本獣医がん学会

大久保

横浜市青葉区に2院を構える専門治療にも対応する動物病院グループです

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