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横浜市青葉区、緑区、港北区、川崎市の皆さんこんにちは。
横浜市青葉区市ケ尾町にある夕やけの丘動物病院 獣医師の嶋崎です。
ここでは、犬の消化器疾患として多い「膵外分泌不全」についてのご説明を致します。
最後に、猫の膵外分泌不全についても触れていきます。
膵臓は、炭水化物、蛋白質、脂質といった栄養素を分解するための消化酵素を分泌し、消化吸収に重要な役割を果たしています。膵外分泌不全は、膵臓からの消化酵素の分泌量が低下することで、消化不良を起こす疾患です。
比較的若いジャーマンシェパード、コリー種に好発する先天性の疾患で、多くの場合、小腸性下痢を呈します。小腸性下痢の特徴として、排便回数は増えないが、1回の便の量は多く、軟便~水様性の下痢を起こすことが知られています。
身体検査上の特徴として食欲旺盛であるにも関わらず体重減少とBCS(=ボディ・コンディション・スコア:視診・触診等により体型を5段階で評価するもの)の低下、すなわち削痩が認められることである。
・白色便
脂肪に富んだ便。膵臓からの消化酵素の分泌不全により、脂肪が分解されず、便が白っぽく、そして脂っぽくなります。
・軟便~水様便
・食欲旺盛なのに痩せる
・食糞
・TLI(トリプシン様免疫活性)の測定
・糞便検査での脂肪滴の検出
通常の糞便検査に加え、トリグリセリド(脂肪滴の成分の一つ)を特異的に染色する方法 もあります。食餌中に存在する脂肪はトリグリセリドであり、通常その95%は消化吸収さ れます。しかし、膵外分泌不全では、消化不全によりトリグリセリドが糞便中に出現する ことが知られています。
・ビタミンB12(コバラミン)の測定
ビタミンB12は生体内で生成することができないため、食物内から摂取することによって のみ得ることができます。ビタミンB12の吸収には膵臓から生成される内因子が必要です が、膵外分泌不全の患者はこの内因子を生成できないため、ビタミンB12欠乏を起こすこ とが知られています。
・膵酵素の補給(粉末剤)
・療法食
・ビタミンB12の補給
・合併疾患の治療(続発性IBD、細菌過増殖症候群)
猫に発生する膵外分泌不全は犬と異なる発生機序を持ち、慢性膵炎に続発することが知られています。そのため発生は中年齢から高齢に多く、また犬とは異なる臨床症状をします。犬と最も異なるのは、犬では食欲旺盛なのに対して、猫では食欲が減退するという点です。
・臨床症状:体重減少、軟便、小腸性下痢、被毛粗剛、食欲減退
・併発疾患:IBD、糖尿病、肝リピドーシス、膵炎
・治療:膵酵素の補給
あざみ野どうぶつ医療センター
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休診日:月曜日、日曜日の午後、祝日
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