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副腎から分泌されるホルモンの過剰産生により様々な症状を引き起こす病気です。
原因は下記の3つです。
1)脳下垂体の腫瘍
2)副腎の腫瘍
3)医原性
症状は、多飲多尿、多食、脱毛、パンティング、腹囲膨満などが認められます。
臨床症状から副腎皮質機能亢進症が疑われた場合、一般血液検査、血液生化学検査、尿検査、腹部超音波検査、副腎機能試験(ACTH刺激試験など)などを行います。また、CTやMRI検査が必要な場合もあります。
クッシング症候群の”食欲が増えた”、“水を飲む量が増えた”という症状は好意的に解釈されていることが多く、飼い主にとってはそれが病気のサインであるということを認識しづらいために来院理由となりにくいこと、加齢に伴ってゆっくりと進行するため、病状が進行するまで診断されないということがしばしばあります。
クッシング症候群の予防方法はありませんので、症状が認められる場合は受診することをお勧めします。
クッシング症候群のコントロール不良であると糖尿病や膀胱炎、皮膚炎などに罹患しやすくなったり、病状が進むにつれてふらつきや発作、失明などの神経症状がでたり、最悪の場合、肺血栓症で呼吸困難で突然死したりすることもあると言われています。
トイ・プードル。13歳
来院時の状態と検査結果
水をよく飲み、食欲が非常に旺盛であるという主訴があり健康診断を実施しました。
超音波検査所見では、左副腎6.4cm、右副腎8.1cmとやや大きめでありました。
血液検査所見では、ALP(肝酵素)とコレステロール値が高値でした。
ACTH刺激試験では、刺激後の数値が高値でした。
症状と諸々の検査結果から下垂体依存性のクッシング症候群疑いとしました。
診断にはCTやMRI検査が必要とされますが、飼い主様はご希望されませんでした。
診断結果
下垂体依存性のクッシング症候群疑い
治療内容
1日2回の内服
治療後
内服後1ヶ月程で飲水量が減少し正常量になり、増え続けていた体重も維持するようになりました。
ACTH刺激試験では、刺激後の数値も正常になりました。
現在はコントロール良好で、併発疾患なく生活しています。
あざみ野どうぶつ医療センター
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