難産

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横浜市青葉区、都筑区、緑区、港北区、川崎市の皆さんこんにちは。
横浜市青葉区市ケ尾町にある夕やけの丘動物病院 獣医師の稲山です。

ここでは、「難産」についての説明と、当院での治療実績を報告いたします。

難産について

昔から犬は安産の象徴とされていました。そのため飼い主様によっては犬のお産は人に比べて簡単なものであると考えている飼い主様も少なくないのでは、と思います。しかし、日本ではチワワやトイプードルなどの小型犬種が半数以上を占めており難産になりやすい傾向にあります。

犬の難産は胎児側の要因と母体側の要因によって引き起こされます。胎児側の要因は胎児が産道に対し正常位と異なる体位となってしまった”失位”や、母体に対して胎児が大きすぎる”胎児過大”があります。母体側の要因は胎児を娩出する陣痛が弱すぎる”陣痛微弱”や産道の解剖学的な異常などがあげられます。

犬種や母犬の年齢、体格、胎児数、骨盤腔と胎児の頭蓋骨の大きさの比較から難産が予想される場合、陣痛が来る前に帝王切開に踏み切る場合があり、計画帝王切開と呼ばれます。

計画帝王切開は実施するタイミングを適切に見極める必要があります。本来の分娩日に対して帝王切開が早すぎてしまった場合では胎児側は未成熟なまま出産され、母体側は乳汁の分泌がされないなどの問題が生じます。しかし帝王切開を予定していた日より早く陣痛が来てしまった場合、特に夜中に陣痛がきてしまった際に飼い主様は普段通っていない夜間病院を受診するしかなくなり結果的に飼い主や犬に対して金銭的にも精神的にも負担を強いることとなります。そのため一次診療施設において分娩日をより正確に予測することは非常に重要であります。

計画帝王切開の症例

1、胎児数が3頭のチワワの症例

チワワ 1歳 妊娠65日目

来院時の状態
以前から定期的にエコー検査で胎児の心拍数の測定や血液検査でプロジェステロンを測定していました。

自宅での体温の低下やパンティングや営巣行動などの分娩兆候が見られたため来院されました。エコー上で胎児心拍数が160~180回/分まで低下、またホルモン測定にてプロジェストロンが2.47まで低下していたことから分娩期に入ったと診断しました。またレントゲン検査にて胎児の頭蓋骨が母犬の骨盤に対し大きいことから難産が予想されたため、産出期に入る前に計画帝王切開を実施しました。

診断
分娩期

治療
全身麻酔下での帝王切開

母体の麻酔深度が深すぎた場合、麻酔薬の胎盤移行によって胎児が目覚めなくなる”スリーピングベビー”という状態になります。そのため、最小限の麻酔薬を用いて帝王切開を実施しました。結果、母子ともに無事に手術を終えました。

お問い合わせ

夕やけの丘動物病院

電話番号: 045-530-9100
診療時間:9:00〜12:00、16:00〜19:00
休診日:祝日の午後
住所:神奈川県横浜市青葉区市ヶ尾町517-25

あざみ野どうぶつ医療センター

電話番号:045-530-5300
診療時間:10:00~13:00、16:00~19:00
休診日:月曜日、日曜日の午後、祝日
住所:横浜市青葉区美しが丘5-13-1 GRAN hillside 欅 1F

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