犬の脾臓腫瘤

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「最近、ワンちゃんのお腹が少し膨らんでいる気がする」「急に元気がなくなった」などの変化に気づかれて心配になったことはありませんか?
その原因のひとつに「脾臓腫瘤(ひぞうしゅりゅう)」という病気があります。脾臓はお腹の左側にある臓器で、血液を貯めたり壊れた血液を処理する役割をしています。この脾臓に腫瘤(できもの)ができることがあり、中には命に関わるものもあります。

その症状から考えられる主な原因

脾臓腫瘤にはいくつかの種類があります。

良性腫瘤:血腫(血のかたまり)や過形成(細胞が増えただけのもの)など
悪性腫瘍:特に「血管肉腫」は非常に進行が早く、破裂すると出血性ショックを起こす危険があります。

見た目や症状だけでは良性か悪性か判断できないのが、この病気の難しいところです。

家庭で気をつけたい観察ポイント

お腹が膨れてきた、硬く感じる

元気がなくなった、散歩に行きたがらない
急にふらついたり倒れたりする
歯ぐきが白っぽい(貧血のサイン)

これらの症状が見られた場合は、すぐに受診をおすすめします。

当院で行う検査・治療方法

検査

超音波検査(エコー):腫瘤の有無や大きさを確認します。

レントゲン検査:お腹全体の状態を確認します。
血液検査:貧血や臓器への影響をチェックします。
CT検査(必要に応じて別施設をご紹介):転移の有無や腫瘤の性状を詳しく調べます。

治療

基本的な治療は「外科手術(脾臓摘出術)」です。摘出した脾臓を病理検査に出し、良性か悪性かを確定診断します。悪性腫瘍だった場合には、追加で抗がん剤治療を行うこともあります。

早期に受診すべきサインとは?

お腹が急に大きくなった
元気や食欲が急に落ちた
突然倒れた、呼吸が荒い

これらは脾臓腫瘤が破裂して出血している可能性があります。緊急処置が必要となるため、すぐに動物病院に連絡してください。

症状別Q&A

脾臓を取ってしまっても大丈夫ですか?

はい、脾臓は他の臓器で代わりの働きを補うことができるため、多くの犬は問題なく生活できます。摘出前よりも若干の貧血傾向や、血小板の増加を認めることが一般的ですが、症状はないことがほとんどです。

手術をすれば必ず助かりますか?

良性腫瘤であれば破裂していても手術がうまくいけば完治します。しかし悪性腫瘍の場合は進行が早く、予後は厳しいこともあります。できるだけ早期に手術・診断を行うことが大切です。

当院での診療の流れ

1. 初診・身体検査
2. 血液検査・レントゲン・エコー検査
3. 必要に応じてCT検査(外部紹介になるので緊急時は行わないことが多いです)
4. 外科手術(脾臓摘出)
5. 病理検査での確定診断

脾臓腫瘤は良性のこともありますが、悪性であった場合には命に関わる重大な病気です。早期発見・早期治療が何より大切です。当院では横浜市青葉区・都筑区・緑区・港北区・川崎市にお住まいの飼い主さまへ向けて、早期発見・治療に力を入れています。「少しでもお腹が張ってきた」「なんとなく元気がない」など気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。

わんちゃん・ねこちゃんのお悩みは当院にご相談ください!

この症例の監修

獣医師 大久保 舞(おおくぼ まい)

出身校:麻布大学
資格:獣医腫瘍科認定医 II 種
所属学会:日本獣医がん学会

大久保

横浜市青葉区に2院を構える専門治療にも対応する動物病院グループです

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