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今回は、特に中高齢の女の子のワンちゃんで気をつけたい「乳腺腫瘍」についてお話しします。
乳腺腫瘍とは、乳腺にできるしこりや腫れのことをいいます。良性(命に関わらないもの)と悪性(がんのように広がる可能性のあるもの)の両方がありますが、犬の乳腺腫瘍の約50%は悪性と言われています。
乳腺腫瘍は、避妊手術を受けていない中高齢(6歳以上)の女の子のワンちゃんに多く見られます。特に、初回の発情前に避妊手術を行うことで、乳腺腫瘍の発生率を大きく下げることができます。少なくとも2回目の発情が来る前に避妊手術を行うことが将来的に乳腺腫瘍を予防する大きなポイントになります。
おうちでスキンシップの時間に、ぜひ以下のことをチェックしてみてください。
お腹に硬いできものがないか
お腹だけではなく脇の下もしこりがないか触ってみましょう
おっぱいの周辺に赤み、出血、膿などがないか
もし「ん?いつもと違うかも?」と感じたら、早めのご相談をおすすめします。
診察では、触診やレントゲン、エコー、細胞診(しこりから細胞を取って検査する)などを行います。治療法は、しこりの大きさや性質によりますが、手術での切除が最も一般的です。手術の方法もさまざまで、小さいものであれば部分的にしこりのみを取り除く部分摘出から、大きく悪性の可能性が強いものであれば乳腺を上から下まで全て摘出する片側全切除など侵襲性も大きく異なります。また、乳腺腫瘍の切除の際は一緒に避妊手術もすることが一般的です。
手術後は、病理検査(しこりの詳しい検査)で悪性かどうかを確認し、必要であれば追加の治療(抗がん剤など)を行うこともあります。
・早めの避妊手術(特に初回の発情前がおすすめ)
・定期的な健康診断
・日頃のスキンシップでのチェック
が、乳腺腫瘍の予防・早期発見につながります。
乳腺腫瘍は、早期に見つけて治療をすることでワンちゃんの命を守ることができます。「しこりがあるけど大丈夫かな?」という不安があれば、どうぞお気軽にご相談ください。当院では、丁寧な診察と、飼い主様・ワンちゃんに寄り添った治療を心がけています。
みなさまと大切な家族の一員であるワンちゃんが、健やかに過ごせるようお手伝いできれば幸いです。