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横浜市青葉区、緑区、港北区、川崎市の皆さんこんにちは。
横浜市青葉区市ケ尾町にある夕やけの丘動物病院 獣医師の嶋崎です。
ここでは、犬の消化器疾患として多い「食道狭窄」についてのご説明を致します。
食道狭窄とは、その名の通り食道が何らかの原因によって狭くなってしまい、食べ物が通過しづらくなる疾患です。流動食は飲み込めるけれども、固形物を飲み込むことができないという主訴でご来院された際、食道狭窄や、食道内異物の存在を疑います。典型的な食道狭窄は、重度な食道潰瘍が治癒する過程で瘢痕組織に置換されることにより生じますが、中には腫瘍性のものも存在します。またその他の鑑別として血管輪の奇形や、食道アカラシアがあります。
食道内に一か所、かつ1㎝未満の範囲で存在するもの。通常予後は良好であることが多いです。
狭窄部位が複数存在する場合、長い距離に渡り存在する場合、重度な潰瘍を伴う場合、複合型と呼ばれます。管腔を覆うように網目状の膜を形成することや、らせん状に狭窄を生じることもあり、複雑型の場合、多くは予後が悪いとされています。
食道狭窄を生じる要因として最も多いのは全身麻酔といわれています。食道粘膜は、物理的刺激には比較的強いですが、酸には非常に弱い組織です。全身麻酔後に胃酸の逆流を生じると、食道に潰瘍を形成します。その治癒過程で瘢痕組織を形成し、食道狭窄を生じることがあります。
その他の要因に、薬物、異物、外傷が挙げられます。
胃酸の逆流に伴う潰瘍が原因となり食道狭窄を生じる場合は、下部食道括約筋付近で狭窄を生じることになります。そのため食道狭窄の発生は下部食道括約筋が多いのです。ただし、特定の薬物(ドキシサイクリン等)は食道の刺激性があることが知られており、このような薬物が食道狭窄の要因である場合には食道の頸部、即ち胸郭入口に狭窄を生じます。
症状が軽度な場合は、内科療法により症状の改善を図りますが、狭窄の程度が重度である場合は、外科的治療として、全身麻酔下でバルーン拡張術を行います。
術後の内科療法(あるいは外科治療を行わない場合)としては、やわらかい食餌を与えながら、オメプラゾール等の制酸薬、胃酸の逆流を疑う場合はモサプリド等の消化管運動機能改善薬を使用します。その他、状況に応じて治療を行い、重篤な場合は胃瘻チューブ、経鼻チューブを設置する場合もあります。
あざみ野どうぶつ医療センター
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