逆流性食道炎

ホーム > 診療について > 消化器科のご紹介 > 逆流性食道炎|獣医師が解説|横浜市青葉区の夕やけの丘動物病院

横浜市青葉区、都筑区、緑区、港北区、川崎市の皆さんこんにちは。
横浜市青葉区市ケ尾町にある夕やけの丘動物病院 獣医師の嶋崎です。

ここでは、犬の消化器疾患として多い「逆流性食道炎」についてのご説明を致します。

逆流性食道炎について

様々なリスク因子により、胃酸が逆流して食道に炎症や潰瘍が生じる疾患です。好発犬種としてフレンチブルドッグやパグなどの短頭種が挙げられますが、どんな犬種にも起こりえます。また、喉頭麻痺に続発して生じている場合は、重度なケースでは全身性の神経障害を発症することもあります。

リスク因子

逆流性食道炎を生じるリスク因子として、好発犬種である短頭種、喉頭麻痺、麻酔後、食道裂孔ヘルニアが挙げられます。

短頭種(フレンチブルドッグ、パグなどの鼻の短い犬種)

呼吸器疾患を持つ短頭種には消化器症状を呈する犬が著しく多いことが示されています。短頭種が生じやすい消化管疾患として、食道炎、逆流性食道炎、胃炎、胃粘膜過形成、食道裂孔ヘルニアが挙げられます。

喉頭麻痺

喉頭麻痺を発症した多くの犬は逆流性食道炎を発症します。重度な場合は全身神経障害を発症することもあります。

全身麻酔後

全身麻酔を実施した後の犬の16%に逆流性食道炎が生じることが示されています。特に高齢の犬で発症することが多いことが分かっています。 麻酔中に口から胃液の逆流を認めた場合は食道洗浄を実施し、さらに鼻からも胃液の逆流を認めた場合は鼻腔のフラッシュも実施します。これらの処置により、逆流性食道炎を未然に防ぐことができます。

逆流性食道炎の臨床症状

・吐出
・嘔吐
・間欠的な食欲不振
・唾液量の亢進(よだれが多い)
・口臭(食道の著しい炎症と壊死組織による)
・発咳

逆流性食道炎の検査

診断は食道の内視鏡検査により行われますが、内視鏡を実施するためには全身麻酔が必要です。多くの場合は犬の負担を考慮し、臨床症状に基づいて治療を開始します。内視鏡検査を行うと、著しい縞状の潰瘍病変を認めることがあります。また喉頭に潰瘍を起こしている場合は、咳などの呼吸器症状を呈することがあります。

逆流性食道炎の治療方法

背景に基礎疾患がある場合は、その治療を行います。逆流性食道炎に対しては、内科治療により良好に反応してくれることが多いです。内科治療の選択肢として以下の薬剤が挙げられます。

潰瘍部保護剤

炎症や潰瘍部を覆うように保護し、治癒を促進します。当院ではスクラルファートという懸濁液(シロップ)を処方しています。多くの犬は嫌がることなくスムーズに飲んでくれます。

消化管運動促進薬

食道の下の部分に位置する括約筋(絞める)である、下部食道括約筋を亢進し、胃酸の逆流を防ぐ薬剤です。エリスロマイシン、メトクロプラミド、モサプリドなどが挙げられます。状況に応じて薬剤の選択を行っています。

胃酸分泌抑制剤

胃酸分泌を最小限に抑えることを目的として処方することがあります。ファモチジン、オメプラゾール、ランソプラゾールなどの薬剤を重症度や状況に応じて選択し、処方しています。

お問い合わせ

夕やけの丘動物病院

電話番号: 045-530-9100
診療時間:9:00〜12:00、16:00〜19:00
休診日:祝日の午後
住所:神奈川県横浜市青葉区市ヶ尾町517-25

あざみ野どうぶつ医療センター

電話番号:045-530-5300
診療時間:10:00~13:00、16:00~19:00
休診日:月曜日、日曜日の午後、祝日
住所:横浜市青葉区美しが丘5-13-1 GRAN hillside 欅 1F

TOPへ戻る