腸管ディスバイオーシス

ホーム > 診療について > 消化器科のご紹介 > 腸管ディスバイオーシス|獣医師が解説|横浜市青葉区の夕やけの丘動物病院

横浜市青葉区、都筑区、緑区、港北区、川崎市の皆さんこんにちは。
横浜市青葉区市ケ尾町にある夕やけの丘動物病院 獣医師の嶋崎です。

ここでは、犬の消化器疾患として多い「腸管ディスバイオーシス」についてのご説明を致します。

腸管ディスバイオーシスについて

善玉菌と悪玉菌の不調和、即ち善玉菌の減少と悪玉菌の増加により様々な臨床症状を呈することで知られています。

腸管ディスバイオーシスの臨床症状

下痢
体重減少
発育不全
嘔吐

腸管ディスバイオーシスの診断

血液検査を実施し、ビタミンB12、葉酸の値を測定します。ビタミンB12が低値、かつ葉酸が高値であり、また抗生剤治療を実施した際の良好な反応により診断されます。

ビタミンB12と葉酸は生体内で生成することができないため、食物内から摂取することによってのみ得ることができます。葉酸、ビタミンB12は小腸で吸収されますが、その際、腸管内の細菌は食物中のビタミンB12を取り込み、葉酸を生成することが知られています。

腸管ディスバイオーシスの患者は腸内細菌の異常増殖(悪玉菌の増加)を起こすために、葉酸の高値、ビタミンB12の低値を示します。

市が尾駅 車で4分

夕やけの丘動物病院

Sunset Hills Animal Clinic

夕やけの丘動物病院

あざみ野駅 徒歩8分

あざみ野どうぶつ医療センター

Azamino Animal Medical Center

あざみ野
どうぶつ医療センター

腸管ディスバイオーシスの治療

以下の内科療法を組み合わせて治療を行います。

メトロニダゾール

嫌気性菌、原虫に有効な抗生物質。多くの場合短期的に使用します。

タイロシン

抗生物質としての作用と、善玉菌を増加させる作用を持つと考えられています。耐性菌を生じにくい特徴と、抗炎症作用を持つことが知られています。

プロバイオティクス

プロバイオティクス(=生きた微生物)は、以下のような作用により、消化管内の健常性を増進させる作用があります。
ー病原性細菌を競合阻害する
ー腸管内pHをコントロールすることで病原細菌の消化管上皮への接着を阻害する
ー消化管上皮のバリア機能によって免疫を向上させる
ー消化管運動を支配する神経に作用し消化管運動を促進させる

糞便細菌叢移植

当院ではほとんど実施しませんが、他の治療に反応しない場合に有効な可能性のある方法として、糞便細菌叢移植という選択肢があります。若齢の健康な、抗菌薬の投与が行われていない動物から糞便を2g程度採取し、それを生理食塩水と混和し、ろ過します。これを難治性の下痢を呈する患者に高圧浣腸を行うことで、他の治療に反応しない場合に有効な場合があります。糞便細菌叢移植は消化管の運動性や食欲、嗜好性にも関与すると言われています。

わんちゃん・ねこちゃんのお悩みは当院にご相談ください!

この症例の監修

獣医師 嶋崎 貴匡(しまざき たかまさ)

出身校:酪農学園大学
資格:JAHA 総合臨床認定医、ロイヤルカナン栄養管理アドバイザー
好きな動物:犬、猫、トカゲ

嶋崎

横浜市青葉区に2院を構える専門治療にも対応する動物病院グループです

TOPへ戻る